六代目ブログ
伝統発信ブログ
何で丸みがあるんですか?って聞かれました♬
こんにちは!
太鼓職人であり演奏者♬
慶応元年(1865年)創業、三浦太鼓店の
六代目彌市です!
「伝統」を守り
「伝統」を創るを理念に、
新たな時代に求められる「音作り」を
日々探求しています!
【何で丸みがあるんですか?って聞かれました♬】
さて、
つい先日ご来店くださったお客さんに
こんな事を聞かれました。
三浦さん、
最近はいろんな桶太鼓が世の中にあって
中には、
「たが」もついてないのもあるし
カタチも「ストレート」のものから
「丸み」があるものまで
いろいろありますが、
何がどう違うのですか??
と、聞かれました♬
私たちも、
2016年から自社での桶作りをはじめて、
言われるように
ストレートに近いモノから
丸みがあるモノ、、
いろんな桶職人さんが
作った桶も見てきましたし、
自分達でも
いろいろチャレンジしてきた中で、
ようやく明確に分かってきたので
今日はお伝えしたいと思います♬
そう!
全ての「カタチ」には意味があったのです♬
以前にも、この
「ストレート」の桶と
「丸み」のある桶の違いについては
記事にしたことありましたが、
当時はまだ自分で「桶」を
作っていたわけでなかったので
あくまで、我々としても
「推測」の範囲でしたが、
今はハッキリとその違いを
お伝えできます♬
それには、
まず桶の作り方を少しだけ理解いただく必要があります。
例えば口径40㎝の桶を作る場合
以下のようなイメージでまず
1枚1枚の板を削って準備します↓↓
単純にこの削った板を
まっすぐつなぎ合わせると
口径40㎝の「ストレート」の桶が完成します。
毎回桶を組み上げる前には
必ずこうやって板を並べてみて
直径を測って作ってます
それは、
どれだけ大きな桶になっても同じで
あの「味噌六」も
そうやって作ってます↓↓
で、
味噌六は当然
「ストレート」の桶ではなく
ゆるやかな「丸み」があるのですが、
どうやったら
この「丸み」が生まれるかと言うと
もともとは真っ直ぐだった板の
「上下」をそれぞれ少しだけ削ってから
口元を絞り込むことで
桶の口元がキュッと締まって
胴の中央部分がに膨らみが生まれるのです
なかなか言葉で
伝えるのが難しいのですが( ;∀;)
どうしても理解できない方は
また秘密基地に遊びに来てください( ;∀;)
で、ここからが大事なポイント。
口元をギュッと絞ることで
どうなるかと言いますと
同じ40㎝の口径の桶を作るのに
必要な板の枚数が「増える」のです!
伝わりますでしょうか、、、
これがストレートの場合の必要な板の枚数↓↓
ストレート桶を作るのに
上部の画像のように21枚の板が必要だったとすると
丸みの桶の場合は
★部分の枚数が多く必要になるというコトです↓↓
★部分の板がストレートの桶より多く必要になる。
伝わってますでしょうか( ;∀;)
どうしても分からない方は
秘密基地へ(笑)
要するに、
口径40㎝の桶を作るのに、
「ストレート」の場合は21枚の板でいいのに対し、
「丸み」の場合は21枚以上の板が必要だと言うコトです。
これだけ理解いただければ十分です。
仕上がりサイズは同じ40㎝なのに
丸みの桶が、
枚数を多く必要というコトは
どういう事でしょうか??
その分、
胴の中の空間「体積」が増えているというコトです。
太鼓は、
空気の振動で音を伝える楽器ですので
空気「体積」の量が増えるというコトは
それだけ、深みのある「音」になるってことです♬
ストレートの桶を叩いて
何となく音が「詰まった」感覚に
感じられたコトありませんか??
一方、
しっかりとした丸みのある胴は
深みがあって、
音をしっかりと受け止めてくれる感覚が生まれます♬
じゃあ、
どこまでも丸みをつければつけるほど良いのか???
という疑問ですが、
これがまた難しい( ;∀;)
私たちがまず目指している
理想の「カタチ」というのは、
これまでお世話になり続けてきた
秋田伝統工芸士、五十嵐修さんが
残してくれた桶のカタチを
一つ理想の「型」として目指しています♬
理想のカタチを求め続けること♬
今の三浦太鼓店があるのも、
この五十嵐さんが作りつづけてくれた
音「カタチ」があったからこそ。
なので、
まずは私たちもそこを目指して
その先に、
自分たちの音を探していければと思ってます♬
太鼓の丸み、
特に桶の場合は
もう一つ言えることが
丸を付けるために
口元をギュッと絞り込むことで
胴の内側から外に向かおうとする
大きなエネルギーが生まれます。
そのエネルギーも
よりよい響きを生むための大きな役割♬
だから、
桶にとってはこの「丸み」は
よい「音」を生むために
とてもとても大切なモノだというコトです。
もちろん、素材だったり
作り方、職人の技術によっても
変わる「音」♫
まだまだ理想は遠いのです。
今日も、
その理想を探してがんばります♬
今日もステキな一日を(^_-)-☆
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