六代目ブログ
伝統発信ブログ
太鼓にも『黄金比』がある??
こんにちは!
太鼓職人であり演奏者♬
慶応元年(1865年)創業、三浦太鼓店の
六代目彌市です!
「伝統」を守り
「伝統」を創るを理念に、
新たな時代に求められる「音作り」を
日々探求しています!
【太鼓の黄金比??】
みなさん『黄金比』って
聞いたことありますよね。
あの
レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた
有名な絵画「モナリザの微笑」にも
『黄金比』が使われていると言われています。
画像引用:http://mhidetoshi.exblog.jp/20508500
人がそれを見た瞬間に
理屈や感情を越えて
嫌でも美しいと感じてしまう比率のことで
我々の生活の
いたるところにこの『黄金比』は
活用されているそうです。
で、
今日はそんな『黄金比』と太鼓の関係について
話して見たいと思うのですが、
やっぱり、太鼓にも
太鼓に適した様々な『比率』って
あると思うのです。
例えば胴の膨らみ♬
ご存知太鼓って
独特の緩やかな「膨らみ」がありますよね♬
この胴の膨らみって
太鼓屋さんによっても違うし
太鼓の種類によっても
もちろん違うのですが、
口径に対して
だいたい1.3倍くらいの膨らみが一番美しく
かつ深みのあって
良い響きを生み出すと言われています。
なぜ?突然
こんな『黄金比』のことを
書こうかと思ったかと言いますと、
これまで
様々な種類や大きさの太鼓を
作らせてもらってきて
特に、、この比率が
顕著に現れるのが『桶太鼓』だと
気づいたからです。
桶太鼓は比率が音に大きな影響を与える⤴️
ちょっと今日は
だいぶマニアックな
突っ込んだ話しになりますが( ´∀`)
例えば、
3尺6寸の打面の桶太鼓を
作ろうと思った時、
打面3尺6寸ということは
外径が約110㎝
これは決まっています↓↓
で、
ここからが問題。
この3尺6寸の皮に対して
何センチの胴にするか?
これは決まっていないのです↓↓
伝わっていますでしょうか??( ´∀`)
要するに、
下写真の人差し指部分が外径の大外になって
親指部分が桶の胴の大外になるということです↓↓
すみません、
とてもマニアックな話しなので
ついてこられない人も
いるでしょうが( ´∀`)
何とか
ついてきてください( ´∀`)
要は、
皮面の直径に対して
胴のサイズを幾つにするか??
これがめちゃくちゃ「音」に
影響することがわかってきたのです♬
よくお客様から聞かれるのが、
桶太鼓の場合は
必ず「調べ」と言って
最後はロープで結びますので
そのロープが胴に当たら無いように
胴のサイズを少し小さくしてほしい、、、
そんなご要望をいただくことがあります。
これも、もちろん
ロープが胴を締め付けてしまうと
「音」が響かない、、、
という考え方で
決して間違っているわけではありませんが、、
実は、そうやって
胴の「径」を小さくしてしまうことで
その太鼓にとっては
比率の悪い規格サイズになってしまう、、、
そういう可能性があるということです♬
これは、
非常にデリケートな問題なので、
じゃあ、
一体、皮の面に対して
幾つの胴が一番良いのか?
というのは、正直
我々も今は具体的な数値化
できてませんし、
現状はわかりません。
ただ、
今日お伝えしたいのは、
その皮面と胴の大きさによって
明らかに、
仕上がってくる「音」の鳴り方が変わり、
それは、ロープが
胴にあたるとかあたらないとか言う
以上に
大きな影響があると言うことです♬
ただし、
何度も言いますが、
これは非常にデリケートな問題でして
太鼓の「音」を決めるのは
単純にこの規格サイズだけの問題ではなくて、
・皮の作り方だったり、皮の厚み
・胴の素材だったり、胴の作り方
これらの違いによる
「影響」も非常に大きなことなので
三浦太鼓店にとっての
『黄金比』と
他のメーカーにとっての
『黄金比』は
当然違うってことです。
これが自然を扱う
和楽器の和太鼓の面白いところなのでしょうね。
全ては感じるチカラ
『感性』なのですから♬
冒頭でお伝えしました通り
人が嫌でも美しいと感じてしまう比率
が本当に存在するとするならば、
人が嫌でも心地よいと感じてしまう「音」♬
それを創り出すための
『比率』は必ず存在しているのです♬
こう言う感性を「センス」と言ってしまえば
それまでですが、
特別な人が持っているわけでなく
誰でもその「センス」はあるわけで、、、
あとは、
それをどう磨いていくか!
ここが大切なのかも知れませんね♬
今日はちょっと深い
太鼓の『黄金比』のお話でした♬
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