六代目ブログ
伝統発信ブログ
私がなぜ?「神代杉」で太鼓を作ろうと思ったのか?
こんにちは、六代目彌市です!
今年は残念ながら全国的に
「祭り」「イベント」が中止という事で
我々の味噌六を使った夏祭りも
やはり「中止」なのですが、
そんな時こそ、そんな時だからこそ
「できる事」考えようとメンバー智恵を出し合って
「オンライン夏祭り」を明日10日夜
19:30~ ライブ配信したいと思います!
みなさん見てね!
youtubeライブ配信はこちらから>>>
https://www.youtube.com/watch?v=WvuJHNtgiNg&feature=youtu.be
私がなぜ?「神代杉」で太鼓を作ろうと思ったのか?
さて、おかげ様でSNS上でも
多くのみなさんから注目をいただいている
「神代杉(じんだいすぎ)」の太鼓について
今日はお話しさせて頂こうと思います♬
そもそも、三浦太鼓店が作る「桶太鼓」というのは
主に「秋田杉」と「吉野杉」を使って作ってます♬
それぞれ、「原木」を
秋田杉は→秋田へ、 吉野杉は→奈良へ
買い付けに行って「太鼓用」に最適な材料を
自分たちの目でしっかりと見極めて
作っています♬
まぁ、これが楽しくて
ワクワクするんです(^^♪
だって、この「原木」が
いずれ、我々の手によって「音」となり
人々の心を響かせられるのですよ♬
ワクワクしないわけがない(^^♪
いつも秋田杉買い付けの際にお手伝いくださる五十嵐祐子さん↑↑
そんな原木の買い付けの際には
我々の「桶太鼓人生」で欠かすことのできない
出会いとなった秋田伝統工芸士、今は亡き「五十嵐 修」さんの
奥さんがお手伝いくださっているのですが、
一昨年のある時、
五十嵐さんがいつになく興奮気味
三浦さん!神代杉、神代杉が出た出た!!!
と、突然お電話くださったのです♬
はて?
神代杉(じんだいすぎ)?とはなんでしょう??
私も、それまで聞いたことのない言葉だったので、
その時は全くピンとこなくって
興奮してた五十嵐さん奥さんとは裏腹に
よく分かっていませんでした( ;∀;)
とにかく、新聞ニュースになってるから
送るね!
と、
送ってくださった新聞がこれでした↓↓↓
早速読めば、
秋田県と山形県を境にする「鳥海山」の山麓で
約2500年間前に起こった噴火の際に山肌が崩れ、
土の中に埋もれた天然の秋田杉で
インターチェンジ開発工事の際にそれが見つかった!
というモノでした。
2500年前っていうのは何と!縄文時代です( ;∀;)
普通に考えたら「炭」のように固くなっちゃう?
腐ってしまっている?
そう思うのが当たり前ですが、
鳥海山の伏流水が流れる豊かな土壌に埋もれた木は
完全に「炭化」もせず、腐る事もなく
奇跡の環境で保存され、
腐らず保存されたことによって生じる
独特の深みのある黒褐色の木肌が
他の木材にはない奇跡の美しさを醸し
「神代杉(じんだいすぎ)」として珍重されているとのこと!!
これは、五十嵐さんが興奮している理由がよくわかりました。
そもそも、我々がいつも買い付けしている「秋田杉」というのは
せいぜい樹齢が100~130年もので、
樹齢が300年前後の天然の秋田杉というのは
現在では国が大切に保護しているために、
台風で倒れてしまった、、
道路拡張しなければならず、どうしても切り倒す必要がある、、、
などの特別な時でないかぎり
市場に出てくることはないのです。
ただでさえ、それほど稀少な「天然の秋田杉」が
されに土の中で2500年もの間埋もれており、
更にさらに!それが
木質を残し独特の風合いを醸しているなんて
もうこれは「奇跡」以外の何物でもないのです( ;∀;)
五十嵐さんが興奮されている理由が
ようやく理解できました( ;∀;)
当時いただいた奥さんからのお手紙からも
伝わってきます♬
三浦さん!
私これで太鼓を作ったらいいと思うの!
だって、誰もやったことがない
特別な「太鼓」になると私は確信したから!!
かくして、
われわれの「神代杉」太鼓への挑戦が静かに
確かな興奮と共にスタートしたのでした(^^♪
とはいえ、
どうしたらいいだろう??
そう思っていると、
これも天からのお導きでしょうか、、、
今回、この神代杉を手にした
「渡辺事業所」さんというのが
五十嵐さんのお宅から
なんと!!車でたった5分のところにあるじゃないですか( ;∀;)
五十嵐さん!
次回の買い付けの際に直接行って見よう!
ということで、
昨年の10月に原木買い付けの際に
「渡辺事業所」さんへと
アポなし突撃訪問してみたのでした!!
その時の動画がこちら↓↓
アポなし、突撃訪問だったにも関わらず
渡辺事業所の専務、渡辺さんは
とても親切、丁寧に教えてくださって
それどころか、
われわれがこれで「太鼓」を作りたいんだ!
そう話すと、
いいですよ!
内緒ですが特別にサンプルで作れそうな板
持って行ってください♬
( ;∀;)( ;∀;)
こんな稀少な木材を
そんな快くお分けいただけるなんて( ;∀;)
木も「神」であれば、
渡辺さんも「神」のようでした( ;∀;)
ということで、
遠慮なくサンプルとしていくつか板をいただけることに!
これが、その時頂戴した
貴重な貴重な神代杉です♬
かくして、これまた奇跡のようにつながった
我々の神代杉プロジェクトが密かにスタートしたのでした♬
さっそく、愛知に戻って
試作作りをスタート!
しかし、本当にこれは「木材」として
ちゃんとカンナで削れるのか??
腐ってないとは言っても
強度や耐久性は大丈夫なのか??
そんな不安もありながら
カンナでひと削りしてみると、、、
むしろシャッ!シャッ!と
削りやすいではありませんか!
それもそのはず!
樹齢300年前後の天然の秋田杉というのは
「木目」がとても詰まっていて木肌が美しく、
美しさやその木質の良さというのはそのまま
仕事のしやすさにつながっていきました♬
カンナくずだってお見事この通り!!
2500年という長きにわたって
埋もれつづけたその木は、
芯の芯まで黒褐色で覆われていました♬
そして、その独特の「香」!!
木の香りももちろん残ってますが
どちらかと言えば、「土」の香りがする不思議な感覚♬
これが、鳥海山の伏流水の香なのかと
余計にロマンが広がります♬
そうやって、とうとう完成された
究極の太鼓「神代杉」桶太鼓は、
璨-SAN-と命名することにしました♬
三浦さん、
璨-SAN-とは美しさの極みという意味ですよ!
そう教えてくれた
五十嵐さん奥さんのアイデアです♬
まさに、今回の神代杉にピッタリの命名だと思ったのです!
「美しさの極み」とは。
我々の仕事もそう、
人間の生き方もそう、
美しいモノや、必要なモノ
大切に受け継がれるモノや残されるモノって
いつも究極にまで「シンプル」なのです。
そこに人間が、人間のチカラで
何かを加えようと思ったところで
自然の偉大さにかなう事は
一つもありません。
自然に寄り添い、
自然と共存しながら生きていくことで、
私たち人間は、
その自然の偉大さに守られ優しく生きられるの。
私はそう思うのです。
完成した試作一号を持って
先日、ふたたび秋田県は能代市にある渡辺事業所さんを訪ねてきました。
私たちの想い、伝えたい事に「共感」くださり
このたび、正式に限りある稀少な神代杉を
買い付けさせていただくことができました♬
この稀少な材を使って
究極の太鼓「璨-SAN-」として
正式に商品化させてもらいます♬
どのタイミングで、
どうやって販売するか?
これから検討していきますが、
いずれにしても数に限りがあるモノだという事を
ご理解くださいm(__)m
私たちとしては、
やはり商売をやっている以上は
たくさん売りたい!
そして高く売りたい!
そう思うのは当然の欲ではありますが、
私はそれ以上に、
今回の「神代杉」を通して
「太鼓」が持っている本当の価値だったり、
それを作り上げるために必要な
大切な「伝統」だったり、
今回の神代杉が「土の中」から見つかったように
本当に大切なモノっていうのは
いつも目に見えない所にあるんだよってこと。
そして、究極に美しいモノというのは
すべてをそぎ落とした先にある究極に「シンプル」であるということ。
そういう感覚を少しでも感じてもらえることができたなら、、、
我々がやってきた活動の意味を
伝えられるのではないかなって思っています。
私がなぜ?「神代杉」で太鼓を作ろうと思ったのか?
その答えは、お金や利益の為じゃないってことです。
今日もステキな一日を(^_-)-☆
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