六代目ブログ
修理・張替
伝統発信ブログ
人々の日常の中にあるモノを作る。
人々の日常の中にあるモノを作る。
~本当に大切なモノは一番近くにある~
こんにちは、六代目彌市です♪
日中はまだまだ暑いものの、、、
朝晩はすっかり秋めいてきての3連休。
みなさんいかがお過ごしでしょうか(^^♪
秋の行楽シーズンでもありますが、
この時期は、各地で祭りの本番!「例大祭」が行われており、
昨晩も、至るところから
そんな「祭り音」が聞こえてきてますね(^^♪
我々の本業は、まさにそんな祭りに欠かすことができない
「音づくり♪」をお手伝いさせていただく事!なのですが、
我々にとって、そんなお役目の中で
いくつか忘れぬことができない「お仕事」があって、
偶然にも、昨日
そのお仕事をお手伝いさせていただいたその地域の方から
あらためてお礼のお電話をいただいたので
今日は、その忘れぬことができないお祭り一つをご紹介したいと思います♪
人々の日常の中にあるモノを作る。
~1300年のご神木との不思議なご縁と出逢い~
記憶に新しい2020年7月深夜。
岐阜県瑞浪市を襲った、その豪雨被害は
1300年の歴史を誇る町のシンボル「大湫神明神社」の「大杉」を襲いました。
当時、全国にそのニュースが流れていたので
みなさんもご存じの方、多かったのではないでしょうか?
・2020年7月。大湫神社の大杉を襲った豪雨
・どれほどの大木だったのか?
写真に収まりきらないそのスケールを想像してみてほしい。
この豪雨被害と共に伝えられた衝撃のニュースは、
連日、大きく取り上げられたのでみなさんの記憶に新しいでしょう。
私もこのニュースを見た時、
心を痛めると同時にもう一つ!
私の心には、
ある「特別な感情」が湧いていたんです。
それは、何とかして「チカラになりたい」
という想い、、、
なぜ??
何を持ってチカラになりたいと思ったのか、、、
実は、この倒れてしまった大杉の下敷きになってしまったのが
何を隠そう、この地域「祭り」で使われてきた
「太鼓たち」だったからです。
・大杉の下敷きになってしまった『祭礼の太鼓たち』
その事を知った時、
私はこれまで自分が与えていただいた
「知識」と「経験」があれば再生できるのでは!?
そう思ったんです。
「再生」と言っても、
ただ太鼓として「修復」するという意味ではありません。
この倒れてしまった『ご神木』を一部使わせていただいて
地域『祭礼の音』として復活できないか、、、
そう考えたんです。
ただ、残念な事というか
難しい現実が一つだけありました。
それは、これまで我々三浦太鼓店は
大湫神社さんとは何の「ご縁」も「ゆかり」もない地域だったので
チカラになりたくとも、
どうしたらよいのやら、、、
そう思っていたのです。
—————–/
不思議なお導き
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そんなモンモンとした
日々を過ごしていたある日のこと、
突然、私に一本の電話がかかってきました。
電話の主は、
味噌六太鼓づくりで場所の提供をいただいていた
地元岡崎「滝山寺のご住職」からでした。
——————-/
六代目!
ちょっと聞きたいが、
岐阜の大木が倒れたの
知っとるか??
なにやら太鼓にしたいと
言っとるんだが、、、
—————-/
ええーーー!!!
本当にビックリしました。
さらに驚きは続きます。
———————/
ご住職!
大湫神社さんと
お知り合いだったんですか???
宮司さんお知り合いだったのですか??
いや、それが
わしもよくわからんのだ( ;∀;)
??
????
じゃあ、一体
どこからそのお話しが巡って来たんですか??
そう尋ねると、
地元滝町に住んどる住民が、
突然、わしのところに訪ねてきて、、、
何とか知恵を貸してもらえないか?
と、来たもんだから、
わしじゃなんとも力になれんので
六代目を紹介したぞ、、、
とのこと。
とにかく、話を聞いてやってもらえないか?
ということでした。
—————–/
つながるご縁
—————–/
このご神木のあった、
岐阜県瑞浪市大湫町というのは、
中山道の47番目の宿場町『大湫宿』で
今なお、歴史とその景色を残す土地なのです。
歴史と文化を継承するのはその「街並み」だけでなく、
そこに住む人々もやはり、
『文化』を守る活動をされている方が多くいて、
その中のお一人に、
近藤精宏さんという『陶芸家』の方がおられました。
ご神木が倒れ、
住人たちの心が悲しみに暮れるなか、
大切な大杉をこれからも何か『文化』として
地域に、後世に残していきたいと、
近藤さんは考えられました。
その時、なぜか?
ふと思いついたのが、
岡崎にいる『友人』の顔だったそうなのです。
その近藤さんのご友人というのが、
偶然にも先の滝山寺のある地域にお住まいの方で、
その方が滝山寺のご住職へ相談され
巡り巡って私の所へ来たというわけです。
そんな事って
本当にあるのしょうかね。
こういう訳です。
—————–/
・ご神木が倒れる(瑞浪市)
→瑞浪在住の文化人、近藤精宏さん→滝町の友人→滝山寺のご住職→六代目
———————–/
これを『ご縁』と呼ばずして
何と呼ぶでしょうか。
さすがの私も、驚きを通り越して
お導きをいただいたんだなと実感しました。
かくして、ありがたいご縁に導かれ
「ご神木」を活用した『祭りの音再生プロジェクト』に
関わらせていただける運びとなったのです♪
この時、私は心から思いました。
姿カタチは失えども、
命のバトンは必ずつながっていく。
私自身もそうやって
代々大切なモノを受け継いでいるお仕事。
だからこそ、
次の世代へとつなげていく事が
私のやるべきことなのかなと。
そして、そのバトンがつながり
ふたたび地域祭礼に欠かせない『喜びの音』として
末永く響き渡る太鼓としてご神木が蘇ったのでした。
倒れてしまった翌年に、
一部根元だけ残し、ご神木の復興と共に
地域住民の方々に、この太鼓の音がご披露されたので
その時の、映像をお届けしたいと思います♬
あとがき。
———————/
実は今日この大湫神社のご神木のお話を
あらためてご紹介しようと思ったのはもう一つ理由がありました。
昨日、ひさしぶりに
近藤精宏さんからお電話をいただいたのです。
そこで、近藤さんが
私にこう伝えてくれました。
あの時、
倒れたご神木を再利用していろんな太鼓づくり以外にも
いろんなモノが作られたけれども、
正直、太鼓が一番地域の方々に喜ばれている。
ありがとう、、、
そうお話しくださったのです。
お役に立てたこと、
チカラになりたいと思った事がカタチにできたことが嬉しかったと同時に、
私は、
「文化」を作るため必要なコトは、
人々の日常(暮らし)に寄り添うことなんだと学びました。
言い換えれば、
日常の暮らしの中にあるものを作ることができれば
それはいずれ「文化」となって行くということ。
我々の住むこの「日本」という国には、
そんな先人たちによって育まれてきた文化で溢れています。
それは、あまりに身近にあるモノだから
見ようと「意識」しなければ決して見えてこないのです。
大切なモノ、
大切なコト、
それは、遠くにあるのではなく
それは、いつでもあなたの一番近くにある。
今日も素敵な一日を(^_-)-☆
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