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豪快だけど、優しな『手』

豪快だけど、優しな『手』

先日、はじめてお会いした人に

三浦さんてもしかしてCEO(社長さん)??

 

と聞かれ、

ちょっと手相見ていい?

 

と、突然言われ( ;∀;)

見てもらったのですが、、、

 

自分の人生をしっかりと生きていらっしゃいますね~♪

 

そう言っていただいたのですが、

今日は私の「手相」の話しをしたい訳じゃありません( ;∀;)

 

自分の人生をしっかりと生きて見えますね!

 

そう言っていただけた事は、

もちろん嬉しかったですが、

 

「手」!

 

と言えば、私の中で

どうしても思い出してしまう、あの優しい手。

 

豪快だったけど、

本当に人のぬくもり、生き様を感じさせてくれる『手』でした。

 

———————/

性格は顔に出る

生活は体形に出る

本心は目に出る

センスは服に出る

清潔感は髪に出る

———————/

 

だとするならば、

 

私は、

人の「生き様」は手に出る。

 

と思うのです。

 

今日は、

そんな人の「生き様」を感じさせてくれる

今は亡き大切な師匠の手をご紹介します(^^♪

 

 

豪快だけど、優しな『手』

 

 

私には、その大切な道具と共に

桶づくりを教えてくれた師匠が2人います。

 

そのうちの1人、

今は亡き永谷さん。

 

 

師匠の、仕事は繊細!

というよりも豪快!な人でした。

 

どれだけ、仕事が豪快とはどういう事かと言うと( ;∀;)

 

桶を作る時、『タガ』と呼ぶ竹のバンドを

胴に入れる(はめ込む)作業があるのですが、

 

80歳を越えた老人が、

決して体重も身軽ではない人がやると思えない

アクロバティック!な職人技で、

胴の上にひょいっ!と乗ってタガを入れるのです(笑)


・タガを入れる師匠⤴まさにアクロバティック!

 

これが80歳を越えた老人には見えませんよね( ;∀;)

 

バランスでも崩して

太鼓から落ちたら怪我をしてしまう、、、と

 

私の心配をよそに、

淡々と作業をこなしておりました。

 

元気!

とはこの人のためにある言葉のようで、

 

とにかく声も大きくて!よく食べて

まさに元気な人でした♪

 

 

そんな豪華な生き様の師匠でしたが、

 

唯一!

豪快だけじゃない部分を感じさせるところがあったんです。

 

それが、師匠の手。

 

百聞は一見に如かず

 

みなさんにも見てほしい。

この手を見て何を感じますか??

 


・これが師匠の手。

 

 

この『手』からは、

何かがにじみ出てますよね。

 

人の『手』というのは、

その人の『人生』『生き様』そのものがにじみ出るのです。

 

太くて豪快!

でも、とっても優しくて温かい師匠の手。

 

この『手』を見てもらえれば、

師匠が歩んできた苦労も、人生も、生き様もすべて感じてもらえると思います。

 

すべてを包み込んでくれるような、

そんな師匠の「生き様」の中で、

 

師匠は、私のような若造に

大切な「道具」と共に、すべてを与えてくださったのです。

 


・桶づくりにおいて一番重要な役割を担う「特殊なカンナ」
師匠から譲り受けた大切な形見


・この長いカンナのことを「正直台(正直カンナ)」と呼ぶ。

 

師:

おまん、桶をこしゃる(作る)なら正直台いるやろ?

これ持ってけ。

 

私:

いいんですか?

こんな大切な道具をお借りして、、、

 

師:

おおええよ、

いつか、ワシが死んだら、

その時は母ちゃんにちょっとばかりのお礼を渡してくれたら

おまんがそれを使えばいい。

 

あの頃は、半分冗談で会話してましたが、

そんな大切な師匠との時間は、残念ながら長くは続きませんでした。

 


令和三年三月十二日86歳 永谷さん永眠。

 

 

あらためて思うんです。

そもそも、私がなぜ?『桶づくり』をやりたいと思ったか?

 

それは、そこに守るべき『本物の音』あったから。

 

そして、

その『本当の音』を守り続けてきた人に出会ったとき、

 

そこには、まぎれもなく

『本物の生き様』がありました。

 

そして、その生き様というのは、

その人の「手の中」に現れるのです。

 

 

今、時代は、大きな大きな転換期を迎えています。

 

本当の豊かさとは何か?

本当のしあわせとは何か?

 

誰もが迷い、もがき苦しんでいます。

 

ときどき私自身も、

やはり迷い苦しむことがあります。

 

そんなとき、ふと師匠から譲り受けた

この『正直台(カンナ)』が私に語り掛けてくるのです。

 

この道具がなぜ「正直(しょうじき)カンナ」と呼ばれているのか??

 

その由来は、

職人の腕(想い)が『正直』に出るからという意味からだそうです。

 

きっと、使う人の心がブレていたら

この道具を扱う事はできなくなるでしょう。

 

そうならないように、

大切なことを見失わないようにと、

 

師匠は、何より一番大切な道具を

私に与えてくださったのかもしれません。

 

今日も素敵な一日を(^_-)-☆

 

この記事を書いた人

  • 三浦 和也(六代目彌市)

    三浦 和也(六代目彌市)

    (昭和55年1月25日岡崎生まれ。AB型。和太鼓零〜ZERO〜代表)
    和太鼓と嫁に年中夢中!
    実は、長男ではなく次男坊。幼い頃は太鼓も親父も嫌いだった私が太鼓に目覚めたのは24歳の時。
    敷かれたレールが目の前になかったからこそ、今描ける野望は和太鼓を通して、世界を救うこと!4人の息子たちもみんな太鼓打ち!受け継いだ大切な「伝統」を後世へとつないでいきたいと思っています。

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