六代目ブログ
修理・張替
伝統発信ブログ
残されたモノが本物。~本物とは?人の心に届くモノ~
こんにちは、六代目彌市です。
残念ながら、今週末予定しておりました『岡崎城下家康公夏祭り』は
この状況下で昨日、急きょ『中止』という苦渋の決断となってしまいました。
これまで、祭りに向けて準備を進めてきてくださった関係者の方々、
また、ご参加を予定くださっていた多くの方々に改めて感謝申し上げます。
コロナ禍の世の中になり、もう随分と時が過ぎていく中で
この時代の大きな変化に『ふるい』にかけられている気がしています。
誰のせいでもない、
悔しくて、悲しくて、不安で、葛藤し
それでも、前に進まなければならない。
何が正しくて、何が間違っているのか?
この答えが分かるのは、
少し先の『未来』なのかもしれません。
残されたモノが本物。
~本物とは?何か~
私は、仕事がらよく『本物』について考えることがあります。
本物とは?何か?
以前、わたしのそんな問いかけにある方がこんなメッセージをくれました。
本物、それは人の心に届くモノ。
確かに、そうだ。
私はこのシンプルなメッセージのなかに確かに『本物』の答えを見つけることができた気がしました。
本物=『人の心に届くモノ』
みなさん、あらためてこのメッセージ、深く考えてみて欲しいんです。
『人の心に届く』ってどういう事でしょうか?
逆に、『人の心に届かなかったら』どうなるでしょうか?
以前、三浦太鼓店で修理させてもらた太鼓に
なんと!500年前に作られた太鼓があったんです。
この太鼓、作手村は『白鳥神社』の祭礼で使われてきた太鼓で
太鼓の胴の中には、500年の受け継がれてきた修理の歴史が刻み込まれていました。
・胴の中に刻み込まれた500年の歴史
↓大正時代に行われた8回目の張り替え修理で、
我がご先祖様の『三浦彌市』の名が刻まれていました。
私は、この太鼓に触れた時、思ったんです。
どうして?この太鼓は
500年もの間、受け継がれてきたんだろうって?
見た目はボロボロ、ヒビだれけ、、、
これは、太鼓を真上から見た写真ですが
なんなら、もう
丸のカタチすら保たれてない楕円型に変形もしてしまっている、、、
みなさん、どうでしょうか?
このようなモノ、今の時代のモノだったら
きっと『捨ててしまう』か『新しく買い換える』が当たり前と思います。
でも、この太鼓は
捨てられず、買い換えられる事もなく
500年もの長きにわたって受け継がれ続けてきた。
なぜ?なんだろう??って
その答えは、
『音』にあったんです♬
修理を終え、
この太鼓を叩いてみた瞬間!
『音が生きている!』って感じたんです。
この時、すべてが理解できました。
あぁ、だからこの太鼓は
500年もの間、捨てられることなく大切に受け継がれてきたんだって。
見た目は、ボロボロ
カタチは楕円に変形してしまってる、、
姿カタチは、古くても
太鼓にとって何より大切な『音』が生きていたんです。
私の心にスーッと響いてきたその音こそ、
まさに、『本物』だ!って思いました。
本物=『人の心に届くモノ』
本物を作りたければ、
人の心に届くモノ作ればいい。
それだけのこと。
人の心に届くモノであれば、
きっとそれを今日、受け取ってくれた人が
来年も大切にし、再来年も大切にし、
そうやって、1年、1年自然と受け継がれていくからこそ
500年経って私たちは「伝統」と呼んでいるだけの事なんです。
ありがたい事に、私には
そんな『本物の音』を教えてくれる古い太鼓や、
偉大な先人たちとの出会いがあります。
いただいた以上、今度はそのバトンを
次につなげていかなければなりません。
答えはシンプルだとわかっていても、
複雑に変化する世の中にどうしても翻弄されてしまう自分がいるのは確かですが、
今一度、これまでの経験とご縁に感謝して
自分のできることを積み重ねていきたいと思っています。
コロナ禍で、全国各地の祭りが
今年も中止や延期に追い込まれる中、
遠く秋田能代の伝統祭り『役七夕』で
私の作った『音』が響いたというニュースを聞いて
自分のやるべき事を
あらためて見つめ直す時間をもらえた気がします。
今日もステキな一日を(^_-)-☆
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